仕事をする時の「やろう」と「やらなければ」

 今度は、仕事を例にとって、「やろう」と「やらなければ」が、どのように違うのかを具体的に見ていきましょう。

 仕事をする時に、「やろう」と考える人は、前向きで積極的な気持ちで仕事に取り組もうとしているのです。
潜在意識に蓄えられたプラスのイメージの影響で、成功が想定されているため、自覚しているかどうかは別として、「(仕事をやったら、いいことになる。だから)やろう」と考えています。
「いいこと」とは、人によって違いはありますが、「上司や同僚に喜んでもらえる」「お客さんに喜んでもらえる」「自分の評価が上がる」「収入が増える」などといったことです。

 そして、潜在意識はこれらの「いいこと」を実現させようとします。
スッキリした気分で意欲的に仕事に取り組めるのも、頭が冴えてすばらしいアイデアが浮かんで来るのも潜在意識の働きによるのです。
途中で失敗しても、すぐに気を取り直して頑張ることができるのも潜在意識の働きによるのです。

 潜在意識が、想定された「いいこと」を実現させようとして、強力に働きかけているのです。
潜在意識の働きで、仕事がうまくいき、「いいこと」は実現します。
そして、顕在意識で感じる仕事に対するプラスのイメージや感情が、潜在意識に送り込まれ、潜在意識のプラスのイメージや感情を一段と強いものにします。

 そのプラスのイメージや感情が、次の仕事をやる時も「やろう」という考え方をさせるのです。
「やろう」という考え方で積極的に取り組むから、また仕事がうまくいき、潜在意識のプラスイメージはさらに強化されます。
こうしてプラス思考が繰り返されるのです。


 一方、仕事をする時に、「やらなければ」と考える人は、責任感、義務感や危機感から仕方なく仕事に取り組もうとしているのです。
潜在意識に蓄えられたマイナスのイメージの影響で、失敗が想定されているため、自覚しているかどうかは別として、「(仕事をやらなかったら、まずいことになる。だから)やらなければ」と考えています。
「まずいこと」とは、人によって違いはありますが、「上司や同僚に迷惑をかける」「お客さんに迷惑をかける」「自分の評価が下がる(批判される)」「収入が減る」といったことです。

 そして潜在意識は、「まずいこと」を実現させようとします。
いやな気分で仕事を始めたくなくなるのも、集中できず能率が上がらないのも潜在意識の働きによるのです。
途中で失敗すると、やっぱりだめかと簡単に諦めてしまうのも潜在意識の働きによるのです。
 潜在意識が「まずいこと」を実現させようとして、強力に働きかけているのです。
必死に頑張って何とかその仕事をこなすことができて、すぐには「まずいこと」が実現しなかったとしても、仕事は辛くて苦しいものというマイナスのイメージや感情が潜在意識に送り込まれます。

 そして、そのマイナスのイメージや感情が仕事に対する積極性を奪い、次の仕事をやる時も「やらなければ」という考え方をさせるのです。
「やらなければ」と考えると、潜在意識は「まずいこと」を実現させようとしますから、仕事は一段と辛くて苦しいものになります。
そして、仕事に対するマイナスのイメージや感情はさらに強くなり、それ以降の仕事に対しても、「やらなければ」と考えて取り組んでしまいます。
こうしてマイナス思考が繰り返されます。

 「やらなければ」と考えて仕事に取り組む人は、知らず知らずにマイナス思考を繰り返しており、それはマイナスのイメージトレーニングをしているようなものです。
多くの人がその事を知らないまま、「やらなければ」という考え方で仕事に取り組み、大きなストレスを感じて、重苦しい気分になったり、体調を崩したりしているのです。

 そして、それが積み重ねられて、ついには仕事や日常生活に支障をきたすような状態にまで追い詰められてしまったのが、うつ病です。
非常に失礼な言い方になってしまいますが、知らず知らずにやっていたマイナスのイメージトレーニングの成果が出たということになるのです。

 仕事ができない状態になることによって、潜在意識にある「まずいこと」のイメージ、つまり「上司や同僚に迷惑をかける」「お客さんに迷惑をかける」「自分の評価が下がる(批判される)」「収入が減る」という事を実現させてしまったのです。
知らず知らずにマイナス思考を繰り返しているということは、ものすごく恐ろしいことなのです。

 



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